引き渡されたが水がでない・・

 契約でお願いしてあった天井材の撤去が終わったという連絡をもらい、残金を振り込んだ。そうして、ついに引き渡しの日がやってきた。
 この日は、現状を確認して引き渡しを受け、その後、不動産屋さんと一緒に、司法書士事務所に移動して、登記を依頼する。
 前日から現地入りし、市役所で水道の開栓を申し込んだり、庭の草をむしったりして過ごした。
 朝、不動産屋さんがやってきて、玄関の鍵を開け、その鍵を渡してくれる。入ってみると、今までは、後から作りつけられた天井で隠されていた、太い梁の渡った高い屋根裏が目に入る。凛とした古民家の風情を取り戻している。改めてこの家を買って良かった・・と思わせられる瞬間だった。
 ところがである、水が出ない。いや、出ないわけではない。開栓はされていて、ちょろちょろとは流れるのだが、半日待っても水洗タンクを満たすこともできない程度・・。市役所に電話をしてみたが、今日は休日で担当がいないので確認には行けないし、恐らくはメーターより先の問題で、その場合は市役所ではなく設備屋さんに連絡して欲しいとのこと。
 司法書士さんとの約束の時間が迫っている。不動産屋さんが、鍵を預かり、月曜に市役所の確認に立ち会ってくれる・・ということになった。
 水の問題はその日のうちに解決した。配管のあちこちに空気や錆が溜まっていたらしいのだ。妻が、台所やふろ場の蛇口を次々開けると、空気や錆水やなんだか分からない黒い結晶がガバガバと吐き出されてきた。蛇口を開いたまま、元栓を開閉すること数度。やがて澄んだ水が、そこそこの流量で流れ出してくるようになった。不動産屋さんには市役所への連絡が不要だと伝え、鍵は書留で送り返してもらうことにした。
 トイレの問題は残った。トイレのタンクに水が溜まらないのだ。妻がタンクに手をつっこんでカビやらミズゴケやらを掻きとると弁の収まりが良くなったらしく、水が溜まりはじめた。ちゃんと流れるようにもなった。しかし、少しずつ水が抜けてしまうらしく、給水がぴたりと止まり切らない。どこかの弁かパッキングの交換が必要な様子だ。TOTOの寒冷地仕様の水洗トイレで、古いせいか、ホームページには説明書が掲載されていない。だが、問い合わせのメールを出したら、すぐに送ってもらえた。昔の製品の二度目のオーナーにまで丁寧に対応してくれるなんて、ありがたいことだ。

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